ファンコニ 貧血。 ファンコーニ症候群

ファンコーニ症候群

ファンコニ 貧血

「」とは異なります。 ファンコーニ貧血(ファンコーニひんけつ、 Fanconi anemia、FA はのひとつであり、350,000人に1人の割合で生じるが、や南アフリカのではより高い確率で発症する。 ファンコーニ貧血は、に関与する一連のタンパク質に遺伝的な欠陥が生じたために起きる疾患である。 平均死亡年齢は2000年の時点で30歳であった。 アンドロゲンや造血細胞増殖因子を用いた治療法で骨髄機能不全を一時的に補うことができるが、長期治療は、もしドナーが見つかるならば(骨髄移植)である。 DNA修復における遺伝的欠陥のため、ファンコーニ貧血の患者から採った細胞は、のようなDNA架橋結合による抗がん剤に対して敏感である。 ファンコーニ貧血の名称は、この疾患を初めて記述したスイスの小児科医 に由来する。 同様にファンコーニの名から付けられた疾患に腎疾患のがあるが、こちらと混同してはならない。 ファンコーニ貧血は劣性遺伝で次世代に伝わる。 ファンコーニ貧血は基本的に遺伝である。 これはすなわち、2本の変異した(両親からそれぞれ1本ずつ)が受け継がれることではじめて発症する疾患であるということである。 学者たちはこれまでに16種類のファンコーニ貧血遺伝子ないしファンコーニ貧血類似の遺伝子を同定している。 これらはFANCA, FANCB, FANCC, FANCD1 BRCA2 , FANCD2, FANCE, FANCF, FANCG, FANCI, FANCJ, FANCL, FANCM, FANCN, FANCP, RAD51CおよびXPFである。 このうちFANCBは上にあり、ほかの遺伝子は常染色体上にある。 現時点では、全世界でおよそ1000人の患者がこの疾患に罹患している。 における保因者の割合はおよそ90人にひとりである。 ファンコーニ貧血の保因者でありうる家系に対しては、やも推奨される。 、、といった血液細胞成分を産生する機能が不全であるため、患者の身体の機能、酸素運搬機能、機能はすべて減弱している。 より永続的な治療としてはがある。 ドナーがいない場合は、によって患者のと一致するような救済者兄弟 の出産が考慮されることもある。 予後 [ ] 患者の多くは、やがて AML を発症する。 患者が年長になると、頭頚部癌、食道癌、胃腸癌、子宮頸癌、肛門癌を非常に発症しやすくなる。 骨髄移植が成功して、ファンコーニ貧血に基づく血液疾患の問題が解消された患者であっても、癌の徴候を発見するために定期的な検査が必要である。 多くの患者が成人前に死亡する。 血液学的異常 [ ] 臨床的には、ファンコーニ貧血の最も重篤な症状は血液学的異常である。 しかし、これより年長で死亡したにもかかわらず血液に異常の見られなかった患者の例も数例存在する。 症状は進行性に出現し、しばしばの完全な機能不全に至る。 生下時は血算は正常値であるが、異様に大きな赤血球で同定される大球性/が最初の異常所見となり、しばしば10歳になる前にみられる(平均発症年齢は7歳である)。 たいていの場合は、血小板数が減る()がに先んじて起こるが、いずれも比較的同じ頻度で生じる。 これらの機能異常はそれぞれ、やの再罹患の危険性を高めやすい。 ファンコーニ貧血は今ではDNA修復に影響することが知られているので、骨髄での細胞分裂について最新の知見でかんがみれば、患者がやといった骨髄機能不全症を発症しやすくなるであろうことは想像に難くない。 骨髄異形成症候群 [ ] 骨髄異形成症候群 MDS は、前白血病の名でも知られていた疾患であるが、一群の骨髄腫瘍性疾患の名称であり、いくつかの主だった差異を除いては急性骨髄性白血病 AML と多くの点で形態学的に共通点を有する。 これらの変化は、の延長やの不全を反映する。 ファンコーニ貧血の病理的な性質のため、骨髄異形成症候群の診断は骨髄の細胞遺伝学的分析のみによっては行えない。 骨髄異形成症候群の診断が確定するのは、骨髄細胞の形態学的分析が行なわれてからである。 検査にあたって、骨髄異形成症候群を発症しているファンコーニ貧血の患者は、骨髄異形成症候群に先立つか続行するかのいずれかに見える様々なクローナルバリエーションを呈する。 さらに、細胞の染色体は異常な相を呈する。 最もよく見られるものは7番のや3q15の部分的である。 骨髄内での7番モノソミーの確認は、進行性急性骨髄性白血病の危険差異が高まっていることと高い相関性を成し、予後は極めて不良で、続く2年のうちに大抵は死亡する。 急性骨髄性白血病 [ ] ファンコーニ貧血では AML の発症の危険性が高まる。 急性骨髄性白血病のすべてのサブタイプが(前骨髄芽性を除き)ファンコーニ貧血で生じうるが、骨髄性単球性と急性単球性とが最も多く観察されるサブタイプとなっている。 骨髄異形成症候群の患者の多くが、長く生きればやがて急性骨髄性白血病に移行する。 さらに、進行性急性骨髄性白血病の危険性は、骨髄不全の発症とともに増大する。 骨髄移植を施行しても、MDSやAMLを患ったファンコーニ貧血患者の4人に1人は、MDSやAMLに関する症状で2年以内に死亡する Butturini, A et al. 1994. Blood. 84:1650-4。 骨髄不全 [ ] ファンコーニ貧血に合併する重要な血液学的合併症で最後のものは、骨髄不全である。 これは血液細胞の産生が不十分であることと定義づけられる。 ファンコーニ貧血の患者ではいくつかのタイプの不全が見られ、多くの場合MDSやAMLよりも先に生じる。 血算の減少を探知することは、治療の必要性や移植の可能性を検討する最初のしるしとなることが多い。 大部分のファンコーニ貧血の患者ははじめのうちアンドロゲンや造血成長因子に反応するが、この治療法はことにクローナル細胞遺伝学的異常を呈する患者で白血病を引き起こしやすいことや、やなども含む副作用を起こすことが示されている。 したがって、白血球型が同一である兄弟姉妹からの移植が必須となる。 さらに、ファンコーニ貧血の患者は染色体異常を引き起こしやすいため、移植前のコンディショニングでは高用量放射線や免疫抑制剤を使用できない。 このため患者は GVHD を発症する確率が高い。 Zhangらは、造血細胞や原始細胞が過酸素化された血液と低酸素化された骨髄組織とを行き来する際に見られるような連続した低酸素-再酸素化サイクルが、未成熟の細胞の老化をもたらし、ひいては造血機構の阻害にもつながると仮説を立て、首尾よく実証した。 老化は、アポトーシスとともに、骨髄不全における造血細胞の枯渇の主要なメカニズムを構成していると考えられる。 分子レベルで見たファンコーニ貧血 [ ] ファンコーニ貧血に関与する遺伝子は16種類あり、このうちのひとつは乳癌の起因遺伝子ともなるである。 これらの遺伝子は損傷DNAの判別と修復に携わるが、遺伝学的欠損があるとDNAを修復できなくなる。 ファンコーニ貧血コア複合体は8分子のタンパク質から成っており、一般にはDNAが損壊されて複製を中断した時に活性化される。 コア複合体は、すなわちDNA修復時にほかの複合体のBRCA2と組み合わさる小さなタンパク分子を加える。 修復が済むと、ユビキチンは除去される。 近年の研究では、これらの遺伝子のうちの8種、すなわちFANCA, -B, -C, -E, -F, -G, -L, —Mが、細胞核の中でコアタンパク複合体を構成していることが明らかになった。 現時点でのモデルによれば、複合体はFANCAとFANCE上のに従って、細胞質から核内に移動する。 組み立ては反復するストレス、とりわけ架橋分子(マイトマイシンCやシスプラチン)によるDNA損傷や、FANCM遺伝子によって探知される活性酸素といった複製時のストレスによって活性化される。 組み立てに続いて、コアタンパク複合体が、E3ユビキチン合成酵素として機能するFANCL遺伝子を活性化し、FANCD2遺伝子を単ユビキチン化する。 詳細は不明だが、これと類似の複合体が遺伝子監視に関与しており、DNA修復や染色体の安定化に関連する様々なタンパクと関係を持っている。 複合体中のいずれかのタンパクが機能不全の変異を起こすと、DNA修復はずっと効果が低くなる。 これは、、 、といった架橋結合分子によっておこされた損壊への応答が示すとおりである。 骨髄はこの種の欠損にとりわけ鋭敏である。 このルートは、FA-D1ないしFA-D2を有する患者で、S相のチェックポイントの欠陥の目印となる耐放射線性のが存在することによって立証された。 このような欠陥は、そのまま制御不能な細胞分裂につながり、これらの患者で急性骨髄性白血病が生じやすくなることについても説明がつくかもしれない。 他のファンコーニ貧血タンパク相互作用 [ ] 上記の内容が、細胞内DNA損傷応答の最も不可欠な部分であり、ファンコーニ貧血の病理学的性質を説明できると思えるものの、ある学者たちの小さなグループは、ファンコーニ貧血タンパクにはまた別の役割があるのではないかと考えている。 確かに、FANCCに関する最近の知見では、このタンパクがに対する細胞応答で重要な働きをしていることが示されている。 たとえば、FANCCはチトクロムP450レダクターゼと相互作用し、活性酸素の産生の増加や、グルタチオンの産生に重要な役割を果たすに関わることが知られるようになった。 これらの2つの酵素はいずれも活性酸素の発生ないし解毒のいずれかに関わるものである。 FANCC遺伝子はまた、に結合し、STAT135のレセプターへの結合とリン酸化とを補助して、抗がん作用を示す。 したがって、FANCCは、前血球芽細胞の枯渇による骨髄抑制の原因と考えられるアポトーシスを阻害して、細胞増殖停止と細胞サイクルの進展に関わっているという結論が導かれる。 酸化ストレスに対する防護に関係するファンコーニ貧血タンパクには、ほかにFANCGがある。 このタンパクは CYP2E1 と相互作用するため、このスーパーファミリー36の構成分子によって産生済みのチトクロム活性酸素を解毒する役割を担っていると考えられる。 さらに、FANCGは複製後修正タンパクのXRCC9と同一分子であり 、FANCGもその内部のによってDNAに直接作用する可能性を示唆している。 そのためファンコーニ貧血タンパクは、ファンコーニ貧血ルート以外でも、活性酸素を中性化するかDNA修復に関わるかのいずれかで機能していることが容易に理解できる。 このような機構は、再酸化によって酸化ストレスがかかることが非常に一般的な骨髄の機能不全の要因を理解する一助となる。 更に、架橋分子は活性酸素を発生することが知られているが、ファンコーニ貧血の細胞の架橋分子に対する過敏性は直接架橋分子によるものではなく、むしろ活性酸素の産生増大に対応するべき細胞の能力が低下していることによるものと思われる。 脚注 [ ]• Encyclopedia, Ethel Moustacchi, October 2003• ; d'Andrea, Alan D. May 2010. 362 20 : 1909—1919. Fanconi, G.. Kutler DI, Auerbach AD 2004. Fam. Cancer 3 3—4 : 241—248. Author: Blanche P Alter, MD, MPH. Updated: Dec 21, 2007• Page 29 in Moore, Pete 2007. The Debate About Genetic Engineering Ethical Debates. New York, NY: Rosen Central. Verlinsky Y, Rechitsky S, Schoolcraft W, Strom C, Kuliev A 2001. 285 24 : 3130—3133. Institut Biologia Fonamental de Barcelona, , USUJ 2009. Retrieved 2010-04-13• Zhang X, Li J, Sejas DP, Pang Q 2005. Blood 106 1 : 75—85. Deans AJ, West SC December 2009. Mol. Cell 36 6 : 943—53. Vandenberg CJ, Gergely F, Ong CY et al. 2003. 12 1 : 247—254. Garcia-Higuera I, Taniguchi T, Ganesan S et al. 2001. Mol. Cell 7 2 : 249—262. Wang Y, Cortez D, Yazdi P, Neff N, Elledge SJ, Qin J 2000. 14 8 : 927—39. Cortez D, Wang Y, Qin J, Elledge SJ 1999. 286 5442 : 1162—1166. Howlett NG, Taniguchi T, Olson S et al. 2002. Science 297 5581 : 606—609. Connor F, Bertwistle D, Mee PJ et al. 1997. 17 4 : 423—430. Auerbach AD, Rogatko A, Schroeder-Kurth TM 1989. Blood 73 2 : 391—6. de Winter JP, Waisfisz Q, Rooimans MA et al. 1998. Nat. Genet. 20 3 : 281—283. 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]•

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ファンコニ貧血について

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【 ファンコニ貧血の症状】 ファンコニ貧血は、造血の要である造血幹細胞が減少して骨髄の中身が脂肪細胞に置き換えられてしまいますので、赤血球、白血球、血小板といった全ての血球が減少してしまいます。 このような減少傾向から、様々な症状が出て来ます。 種類としては、動悸、息切れ、めまい、顔面蒼白といったものと、血小板減少が絡んだ出血傾向、眼底出血、皮下出血も確認できます。 【 ファンコニ貧血の原因】 ファンコニ貧血の原因は、先天性の血液異常によって起こるものです。 血液内には、血液機能を果たすため赤血球や白血球、血小板などの成分が含まれています。 しかし、先天的な要因によってこれらの血液に含まれる成分全てが減少し、貧血を起こします。 骨髄中の造血幹細胞に本来の機能を阻害する問題が存在しているために、こうした病状を発症します。 【 ファンコニ貧血の検査と診断】 ファンコニ貧血の検査方法は、病歴や染色体の脆弱性テストや遺伝子解析などによって行います。 患者のこれまでの病歴を聞き取り、体の特徴を観察することによって、この病気のある程度の判断がつきます。 さらに、血液を採取し染色体の脆弱性テストを実施することで特定ができます。 さらに、遺伝子解析で異常の有無を確認して最終的に病気を確定させます。 【 ファンコニ貧血の治療方法】 ファンコニ貧血は、先天性の病気であるため、軽い症状のものでも死亡率も高かったのですが、最近では効果的な治療法もあり長期生存も可能になりました。 治療は男性ホルモンを投与すること、骨髄移植、免疫抑制療法などがあります。 また、蛋白同化ホルモン、血小板輸注を取り入れることで生存率は高くなりましたが、副作用や合併症には注意が必要です。

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2011年4月5日 シスプラチンは、多くの悪性腫瘍を治療する場合の第一選択薬であり、染色体DNAと特殊な化学反応をしてDNAを傷つけることによって、がんのような活発に増殖する細胞を殺すものです。 がん細胞が、そのDNA損傷を修復して、シスプラチンに対して効かなくなる分子機構を、廣田耕志 医学研究科放射線遺伝学准教授と山本君代 医学研究科大学院生が世界で初めて明らかにし、4月4日付け(米国時間)の米国科学アカデミー紀要オンライン版に掲載されました。 発見の背景 放射線治療やシスプラチンをはじめとした抗がん剤の多くは、DNAを傷つけて、特に盛んに分裂している細胞(がん細胞)を細胞死に導く事で、がん細胞を殺す。 の患者さんの細胞は、シスプラチンで特に死にやすいことから、シスプラチンによって傷つけられたDNAのキズの修復に関わるメカニズムに異常があると考えられている。 ファンコニ貧血の原因遺伝子群は近年になってたくさん発見され、シスプラチンによって傷つけられたDNAの修復に必須のが同定された。 しかし、どのようにして傷つけられたDNAの除去を行っているのか?不明な謎が多く残されていた。 武田俊一 医学研究科教授の研究室では、DNAのキズを修復するメカニズムについて、国際的な共同研究を行っている。 廣田耕志 医学研究科准教授と武田教授は、ジルクニー スイスチューリッヒ州立大学教授と共同で、ファンコニ経路によって傷ついたDNAに集合するDNA切断酵素Fan1を同定した(図1)。 一方、ファンコニ経路が制御するDNA切断酵素がFan1以外にも存在する事も同時に示していた(図2)。 ファンコニ経路がどのように傷ついたDNAを除き修復するのか、Fan1の発見で光明が見えてきたが、他の未解明の酵素群を同定する課題が残されていた。 図2 発見の詳細 今回、廣田准教授と山本君代 医学研究科大学院生は、傷ついたDNAの除去を行う酵素群のまとめ役として機能する、Slx4と呼ばれる因子について解析を行った。 Slx4遺伝子を変異させた時、シスプラチンに対して細胞が死にやすくなる事から、Slx4はシスプラチンによって傷つけられたDNAの修復に関わる事を見いだした(図3)。 さらに、Slx4がシスプラチンにより壊されたDNAの所に集積される事を明らかにした。 (図4)ファンコニ経路の変異した細胞では、Slx4のDNAのキズへの集積が見られないことから、ファンコニ経路によってSlx4が、損傷箇所に集積されて、Slx4が取りまとめている様々なDNA修復酵素によって、壊れたDNAの修復を実行するメカニズムが浮かび上がってきた。 今回の発見で、ファンコニ経路が、Fan1とSlx4をDNAの傷口に呼び込んで、壊れたDNAの修復作業を開始するスキームが明らかにされた(図5)。 図5 意義と波及効果 近年、Fan1やSlx4の遺伝子の変異がファンコニ貧血患者さんの細胞から同定された。 すなわち、今回ニワトリ細胞で発見した機構は、そのままヒトに外挿できることが証明されたのである。 ヒト細胞においてもFan1とSlx4はシスプラチンによるDNAのキズの修復をすることで、シスプラチンが、がん細胞に効かなくなる原因となっていると考えられる。 我々が今回解明した効かなくする分子機構を標的とする阻害薬品を開発できれば、それとシスプラチンとを併用することで、シスプラチンの治療効果を相乗的にあげることが期待できる。 今後、本研究成果が医療応用に結びつけられることが期待される。 用語解説 ファンコニ貧血 スイスの小児科医Guido Fanconiによって初めて報告されたまれな小児遺伝性疾患で、(1)骨格異常、(2)骨髄不全(再生不良性貧血)、(3)高発がん性(白血病、扁平上皮がん)などを特徴とする。 ファンコニ経路 シスプラチンなどにより架橋したDNAの修復に寄与する、10種類以上のタンパクから成るDNA損傷シグナル伝達ネットワーク。 関連リンク• 論文は以下に掲載されております。 京都新聞(4月5日 21面)、日刊工業新聞(4月5日 24面)および日本経済新聞(4月5日夕刊 14面)に掲載されました。

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