ワーキング メモリ。 脳の「ワーキングメモリ」を鍛える方法。仕事の能力、勉強の効率アップには、ワーキングメモリの強化と解放が効く!

そもそも「頭が良い」とは何か? ワーキングメモリの重要性とトレーニング方法に迫る! (1/2):EdTechZine(エドテックジン)

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近頃、仕事の処理能力が低下している。 うっかりミスや度忘れがなくならない。 若いころに比べて記憶力が落ちた。 集中力が続かず、仕事や勉強の効率が上がらない……。 上記のような認知能力に関するお悩みは、脳の「ワーキングメモリ」を鍛えることによって解消することができますよ。 仕事・勉強の効率を上げるための、ワーキングメモリの鍛え方をご紹介します。 ワーキングメモリとは ワーキングメモリ (working memory)とは、一時的に情報を脳に保持し、処理する能力です。 短期記憶・長期記憶という言葉をご存じの方は多いでしょう。 ワーキングメモリは、短期記憶よりもさらに短いあいだに情報を記憶する能力を指し、ワーキングメモリは脳の 前頭前野が担っています。 ワーキングメモリは、作業記憶・作動記憶とも呼ばれ、以下の3つで構成されていると考えられています。 言語的短期記憶:数、単語、文章など• 視空間的短期記憶:イメージ、絵、位置情報など• 中央実行系:注意の制御や、処理資源の配分といった高次の認知活動 そして中央実行系が、ほかの2つの短期記憶にそれぞれ組み合わされると、• 言語的短期記憶+中央実行系=「言語性ワーキングメモリ」• 視空間的短期記憶+中央実行系=「視空間性ワーキングメモリ」 となります。 ワーキングメモリは、会話や読み書き、計算の基礎といった、日常生活や仕事・学習を支える重要な能力なのです。 ワーキングメモリは容量が少ない ワーキングメモリとは具体的にどのようなものを指すのか、例で説明しましょう。 電話をかけるために電話番号を記憶する場面を想像してください。 電話番号を見て電話番号をサッと覚え、電話を手に取りプッシュするまでの数秒間は電話番号を記憶することができますよね。 ですが、電話を終えた途端に(あるいは電話番号をプッシュし終えた途端に)、かけたばかりの電話番号をすっかり忘れてしまう、というのはよくあることではないでしょうか。 電話番号の例から分かるように、ワーキングメモリは、 ごく短い間だけ情報を記憶する能力です。 ワーキングメモリでは、新たな情報が入ってくると 古い情報はどんどん消されていきます。 情報量がワーキングメモリの容量を超えると、ワーキングメモリに蓄えられた情報は次から次へと押し出されてしまいます。 ワーキングメモリの働きの低下によって起きること もともとの容量がとても少ないワーキングメモリ。 もしワーキングメモリの働きが低下すると、何が起きてしまうのでしょうか。 似たようなことは仕事中にも起こりえます。 たとえば、資料を作成しているとき。 参考資料Aを見て、気になったことを参考資料Bで調べているうち、そもそも参考資料Aの何を気にしていたの忘れてしまい、参考資料Aを最初から読み直しているような状態。 あるいは、長い英文を読んでいるとき。 分からない英単語を調べているうち、調べていた単語が文中のどこにあったのか忘れてしまい、英文を最初から読み直しているような状態です。 つまり、ワーキングメモリの働きが低下すると、目的を達成するため保持していた複数の情報のうち、最初に保持していた情報から失われやすくなるわけです。 先に紹介した「電話番号を忘れる」程度なら問題ないかもしれません。 ですが、仕事の処理速度が落ちたり、ケアレスミスが頻発したり、何度も同じ作業を繰り返してしまったり、覚えておきたかったことをすぐに忘れてしまったりしたらどうでしょう? 仕事や勉強の効率に悪影響が出るのは必至です。 仕事や勉強に励むビジネスパーソン・学生なら、ワーキングメモリをできるだけうまく働かせたいですね。 ワーキングメモリの働きが向上すれば、仕事や勉強の効率が向上するはずです。 ワーキングメモリの働きをよくするアプローチとして挙げられるのは次の2つ。 「ワーキングメモリを鍛えること」そして 「ワーキングメモリを解放すること」です。 ワーキングメモリを鍛える方法・解放する方法を解説します。 ワーキングメモリを鍛える方法 ワーキングメモリの容量は少なく限界がありますが、ワーキングメモリを鍛えて容量を増やせることが分かっています。 ワーキングメモリを鍛える方法をいくつかご紹介します。 楽しいことを考える ワーキングメモリを鍛えるために、できるだけ楽しいことを考えながら日々を過ごしてみましょう。 脳機能に関する学術雑誌『NeuroImage』オンライン版に掲載された、定藤規弘教授(自然科学研究機構・生理学研究所)らの研究によれば、幸福度が高い人ほど「吻側前部帯状回(ふんそくぜんぶたいじょうかい)」という脳領域の体積が大きかったそう。 吻側前部帯状回の大きさは、ポジティブな出来事に接したときの活性化度合と関連していたそうです。 吻側前部帯状回とは、「ACC」(脳の前部帯状回/前帯状皮質)と呼ばれる領域の中で最も前方の部分。 ACCとは、大阪大学名誉教授の苧阪満里子氏による別の研究において、ワーキングメモリの働きが優れた脳で顕著に活動していたと報告された領域。 つまり、 ポジティブな出来事で活性化する領域=優れたワーキングメモリを有する脳で顕著に活動する領域の一部ということです。 定藤教授は、「脳は鍛えれば(特定の脳領域の体積が)大きくなるので、楽しい記憶の想起や、明るい未来を想像するといったトレーニングにより、持続的な幸福が増強する可能性が示された」といいます。 すなわち、 楽しいことを思い出したり想像したりすることで、脳の特定の領域が大きくなり、活性化する可能性があるということ。 ワーキングメモリの増強にもつながりそうです。 イメージングをする 日常的にワーキングメモリを鍛えるため、生活に「イメージング」を取り入れるのも効果的です。 イメージングとは、 「頭の中にイメージを思い浮かべる訓練」。 苧阪教授によれば、覚えるべき単語をイメージして絵にすると、脳内でACCが活動するそう。 ACCを活動させれば、ワーキングメモリを鍛えられる可能性があります。 本を読んだり、ラジオドラマや落語のCDを聴いたりして、情景をイメージするのもよいかもしれません。 複数の食材から作る料理をイメージするのも有効です。 デュアルタスクを行なう ワーキングメモリを鍛えるには、「デュアルタスク」を実践するのもおすすめです。 デュアルタスクとは、 運動と知的作業の2つを同時に行なうこと。 2つの作業を同時に行ない脳を混乱させると、脳は混乱を整理しようと働きます。 混乱を整理しようという働きが脳の活性化につながり、ワーキングメモリを強化することにもなるのです。 篠原菊紀教授(諏訪東京理科大学)をはじめとする専門家らは、デュアルタスクによって脳を鍛えることをすすめています。 デュアルタスクの例は次のとおり。 いわゆる「脳トレ」のように、遊び感覚で、ワーキングメモリを鍛えてみてはいかがでしょう。 「ウォーキング」&「計算」:「100-8=92」「92-8=84」「84-8=76」……と同じ数を引き続ける単純な計算を、歩きながら行う。 「シャンプー」&「昨日の食事を思い出す」:手を動かしてシャンプーしながら、昨日の3食の食事内容を思い出す。 普通の生活を健全に送る ワーキングメモリは、日常生活を送るだけでも鍛錬することができます。 苧阪教授によると、 ワーキングメモリは会話や料理、買い物などで使われているので、健全に日常生活を送っていれば十分に鍛えられるとのこと。 適度に体を動かしなつつ、料理をしたり、掃除をしたり、人と楽しく話したりしてください。 食事の際にかむ回数を多めにするのも効果的だといわれています。 「日常生活を健全に送る」くらい、ごく当たり前にできていると思うかもしれません。 ですが、仕事が忙しいあまりに日々の生活がおろそかになっていませんか? 仕事に打ち込んでばかりではワーキングメモリは育たないようです。 仕事力アップのために、日常生活を大事にするという視点も持ってみてくださいね。 前頭前野を活性化させる ワーキングメモリを鍛えるために、前頭前野の活性化という方法を取ってみてはいかがでしょう。 ワーキングメモリを担っている前頭前野は、論理的・合理的に考えたり、記憶したり、感情をコントロールしたり、判断したりする働きをします。 前頭前野がしっかり働くことは、ビジネスパーソンにとって非常に重要なことですよね。 以下の方法で 前頭前野を刺激・活性化させ、ワーキングメモリの向上を図りましょう。 神経内科医の米山公啓氏が提唱する、ワーキングメモリを鍛えるための7つの方法です。 1.新聞を読解し、印象に残った単語を4つあげる。 2.電車の吊り広告を見て覚え、単語を思い出す。 3.会話中の内容を記憶するように聞く。 4.新曲を覚えカラオケで歌詞を見ずに歌う。 5.読書や音楽鑑賞の際に、頭のなかでイメージをつくり出す。 6.いずれも出来事すべてではなく、3つだけを記憶する。 7.いずれも記憶する際、楽しく記憶しドーパミンを出して脳を元気にする。 (引用元:StudyHacker|) ワーキングメモリを解放する方法 ワーキングメモリを向上させるためのアプローチは、ワーキングメモリそのものを鍛えることだけではありません。 ワーキングメモリを解放してあげることも有効です。 もともと容量が少ないワーキングメモリに、次から次へと情報が送り込まれると、先に入った情報からどんどん出ていってしまうのでしたね。 ワーキングメモリが圧迫されると、大事な情報を思い出せなくなったりミスを犯してしまったりします。 言い換えれば、不要な情報を外へ出すことでワーキングメモリに空きを作れる ということ。 ワーキングメモリをうまく解放すれば、記憶力や仕事の処理能力をアップさせられるのです。 ワーキングメモリを解放する方法を2つ紹介しましょう。 メモを取る ワーキングメモリを解放するには、メモを取ることが有効です。 カナダのマウント・セントヴィンセント大学が行なった研究によると、人はメモを取った情報を忘れてしまうのだそう。 情報を得たとき、「気になるな、あとで調べてみよう」とか「役に立ちそうだからしっかり覚えておこう」などと考えることがありますよね。 気になったことをメモせず頭に残しておこうとすると、ワーキングメモリが圧迫されてしまいます。 必要な情報は、できるだけこまめにメモするように心がけましょう。 情報を脳内からメモ帳に移せば、 情報をワーキングメモリから追い出せ、空きを作ることができます。 メモさえ取っておけば、忘れた情報は後で思い出すことが可能です。 どんどんメモを取り、どんどん忘れてしまいましょう! また、仕事がうまくいくか不安だ、人間関係で心配事がある、といったように悩みや不安を抱えている場合、ワーキングメモリは不安で満たされた状態です。 ワーキングメモリの容量が不安でいっぱいだと、目の前の仕事や勉強に集中することができませんね。 不安は紙に書き出し、ワーキングメモリから追い出してしまいましょう。 ある実験では、心配事や感情的になった出来事について、被験者に数カ月間毎日書き出させた結果、不安が有意に減少したそうです。 不安を紙に書き出してワーキングメモリから不安を取り除き、ワーキングメモリを解放してあげましょう。 脳を休ませる ワーキングメモリを解放するには、脳を休息させることも大事です。 ワーキングメモリ内の情報が過多となり圧迫された脳は、極めて疲れている状態。 脳の処理能力を超えるほどの情報が入っていては、脳の機能が低下し、集中力や仕事のスピードが低下したり、ミスをしやすくなったりしてしまいます。 頭の中は大事な情報でいっぱいで、次から次に仕事をこなさなければならないのに、どうにも効率が上がらないということはありませんか? 脳疲労を起こしているのかもしれませんよ。 脳を休ませるには、 仕事を早めに切り上げじゅうぶんな睡眠をとることを優先してください。 ほかに有効な方法として、脳科学者の杉浦理砂氏がディレクターを務める脳トレーニングジム「ブレインフィットネス」が勧めるのが、 マインドフルネスです。 脳に疲労がたまってストレスが発散できないとき、休んでいるつもりなのに過去の失敗や余計な不安などが頭をよぎりませんか? 休憩中に嫌なことを考えてしまうときは、脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という領域が過剰に活動しているのだそう。 DMNは脳が使うエネルギーのうち60~80%も消費してしまうため、脳を休ませるにはDMNの活動を抑えることが不可欠。 DMNを抑制するのに役立つのがマインドフルネスなのです。 マインドフルネスは、このDMNの過剰な活動を抑え、脳を休めるのに有効であるといわれています。 頭に浮かんでくる雑念を取り払い、「今ここに」集中することで、無駄なエネルギーの消耗を抑え、ストレスを緩和することができます。 (引用元:ブレインフィットネス|) *** ワーキングメモリを鍛えたり、ワーキングメモリを解放したりすることによってワーキングメモリの働きを改善すると、仕事や勉強のパフォーマンスが向上します。 ワーキングメモリを鍛えるスキルは、ビジネスパーソンにとって必須だといえるでしょう。 能力・効率アップをめざすなら、ワーキングメモリを鍛えるスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。 (参考) 生理学研究所| マイナビニュース| 児童・生徒のワーキングメモリと学習支援(広島大学大学院 教育学研究科)| NIKKEI STYLE|WOMAN SMART| Wikipedia| Wikipedia| StudyHacker| StudyHacker| StudyHacker| StudyHacker| StudyHacker| ブレインフィットネス| StudyHacker| studyhacker.

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【ワーキングメモリの低い人の特徴と原因】改善方法5選

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日本語で「作業記憶」と呼ばれる「ワーキングメモリ」は、長期記憶や短期記憶とどのように違うものなのでしょう? 「working memory」は、人間の情報処理活動を研究する認知心理学という分野で生まれた言葉です。 「memory」は、「記憶」やそのシステム、装置などを意味し、「USBメモリー」や「メモリーカード」のように「ワーキングメモリー」と発音されることもありますが、情報処理の分野では「メモリ」と発音するのが一般的です。 自分の「記憶」を意識したことがないという人はいませんよね。 たくさんの思い出や、人の名前、自分が好きなものや嫌いなものなど、脳が覚えている数えきれないほどの記憶によって、日々の生活が成り立っているといってもいいでしょう。 こうした記憶は、脳内で短期記憶が長期記憶として定着した情報です。 ところが、ワーキングメモリを意識して使うとか、ワーキングメモリにどのような思い出があるといういい方はしません。 「作業記憶」というからには、記憶の一種であるはずなのに、「思い出」のようなものではないのです。 しかし実は、ワーキングメモリこそ、日々の生活を成立させている記憶だといえます。 ここでは、そもそもワーキングメモリとはどのようなものかという基本的な知識と、日常生活においてワーキングメモリがもたらしている重要な働きを解説し、簡単にできるワーキングメモリのトレーニングを紹介します。 目次 1-1. 記憶のしくみ 1-2. ワーキングメモリは情報処理システム 1-3. 何にでも優先順位をつける 3-2. 料理を楽しむ 3-3. 意味記憶をエピソード化する 1. ワーキングメモリとは? ワーキングメモリを理解するためには、記憶のしくみを知る必要があります。 脳内で起こっていることは、詳細を語れば難しい内容になってしまいますから、ここでは専門用語を最小限に抑えて概要をわかりやすく解説します。 1-1. 記憶のしくみ 記憶は、情報が残る時間の違いによって、「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3つに分類されます。 感覚記憶とは、五感で受けた刺激の情報が瞬間的にその器官において保持されるもので、ほとんどは意識することなく、長くても数秒程度で消えていきます。 感覚記憶の中から意識した情報が電気信号として脳に伝わり、感覚に応じたフィルターを通してから、海馬という部位に情報が保持されます。 これが短期記憶と呼ばれるもので、数秒から数日間、もっとも長いものでは1カ月ほど情報が残ります。 短期記憶の中から、「強烈な印象」「重要だと認識したこと」「反復されたこと」などが選別されて大脳皮質に送られ、これが長期記憶となり、年単位、長いものでは生涯忘れない記憶となるのです。 短期記憶を保持する海馬のメモリ容量は少ないので、新たな情報を記録するためには古い情報を忘れる必要があり、長期記憶を保持する大脳皮質のメモリ容量は、無限大ともいわれるほど多いという違いがあります。 ですから、記憶力アップのポイントは、短期記憶が残っている間に、いかにして長期記憶として定着させるかということなのです。 1-2. ワーキングメモリは情報処理システム ワーキングメモリが「作業記憶」と和訳されたのは、何らかの作業をするために欠かせないものだからです。 たとえば「会話」をするためには、相手の発言を記憶して自分の意見をまとめ、自分の発言に対する相手の反応を見る、といった作業が繰り返されますよね。 ここで使われている脳の情報処理ステムが、ワーキングメモリなのです。 その作業をしている間だけ必要とされる記憶。 本来、人間の脳が苦手とするマルチタスクを行うための記憶システム。 短期記憶や長期記憶から必要な情報を検索して、今行っている作業を円滑にする回路。 これらがワーキングメモリの正体です。 作業記憶を短期記憶の一種ととらえる場合もありますが、これは結果的に短時間の記憶情報となるからで、短期記憶や長期記憶を有効に使うシステムの名称ですから、「記憶」という言葉が使われていても、概念がまったく違うものなのです。 1-3. ワーキングメモリの機能低下がもたらすADHD ワーキングメモリが注目されるようになったきっかけのひとつが、「ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)」。 ADHDとは、「注意欠陥障害」や「多動性障害」と呼ばれる精神医学的障害で、発達障害の一種と考えられており、その原因とされているのがワーキングメモリの欠如なのです。 子どもでは20人にひとりの割合でみられ、「ひとつのことに集中するのが難しく、集中力が長続きしない」「まわりの刺激に気をとられやすく、すぐに気がそれてしまう」「忘れっぽく、よく物をなくす」といった症状が現れます。 そのまま大人になってしまうと、感情が爆発しやすい、物事に過度にのめり込みやすい、依存症になりやすいといった傾向があるといわれています。 日常生活でワーキングメモリが果たす10の役割 それでは、脳の即時情報処理システムであるワーキングメモリが、日常生活においてどのように役立っているのか見ていきましょう。 ワーキングメモリが低下すると、これらの機能も低下するということです。 急ぎの仕事をこなしたら、元の仕事に戻って再開しますよね。 これは、ワーキングメモリが働いて、作業の優先順位を決めているからできることです。 こういうときにパニックしてしまい、何から手を付けてよいのかわからなくなってしまう人はワーキングメモリが正常に働いていないということ。 自分がやらなければいけないことがいくつかあっても、優先順位を決めて片づけることができるのは、ワーキングメモリのおかげなのです。 優れた料理人は、いくつもの料理を同時進行させながら片付けも行い、数品の料理をどれも温かい状態で仕上げたときには調理場がキレイな状態になっていますよね。 これも、ワーキングメモリの成せるワザなのです。 いろいろな誘惑が邪魔をして、目の前のことに集中するのは大変ですよね。 学生時代、勉強に集中できず、散漫だといわれた人は少なくないはず。 こうした状況において、目の前にあるいろいろな事柄をふるいにかけ、自分にとってもっとも重要なことに集中できるようにするのも、ワーキングメモリの働きです。 ところがワーキングメモリの容量はとても少なく、人間が一度に覚えていられる作業記憶は3つか4つ程度だといわれており、重要なことと認識していても、次々とインプットされる新たな刺激や情報によってぼやけてしまいます。 集中力が高いか低いかということには、ワーキングメモリ容量の微妙な違いや、余計な情報をインプットしないことが影響します。 こうした不測の事態に適応できるのは、ワーキングメモリが働いているからです。 就職の面接を想像してください。 あなたは面接官からのどんな質問にも答えられるよう、その企業の沿革や業績はもちろん、主な取引先の情報、商品の評判や売れ行き、戦略や方向性までしっかり頭に入れました。 ところが面接官からの質問は、その企業や業界とはまったく関係がないと思える、環境保護の話題だったのです。 しかし、あなたは大学時代に参加したセミナーの記憶から、自分の意見を述べることができました。 セミナーで勉強した情報が長期記憶となっていたために、ワーキングメモリという検索エンジンに引っかかったわけです。 人間は気持ちの高ぶりや環境の勢いに流されて、突進してしまうことがありますよね。 こんなときに、冷静な判断をもたらしてリスク回避できるのも、ワーキングメモリが働いているから。 衝動買いを抑えているのは、ワーキングメモリなのです。 ネットショップを閲覧していて、「いいなコレ!」という商品があったときに、記憶には関連する情報がなくても、ネット検索をしてその商品にまつわる情報を集め、「価格が下がるかもしれないからもう少し様子を見よう」とか、「レビューにはいい情報ばかりだったけど、不具合の報告が上がっているからやめておこう」といった判断ができるのは、ワーキングメモリの情報処理システムがあるからです。 教室の勉強では、級友のひそひそ話に誘惑されず、先生の話に集中。 自宅で行う学習では、テレビを観たい、ゲームをしたいといった欲望に負けず、今の自分にとって最重要である勉強に集中する。 こうした学習ができるのは、ワーキングメモリが重要事項を判断して集中させるからです。 テスト前の勉強では、限られた時間で何を覚えればよいのかという選択を行い、その中から優先順位を決めて勉強しましたよね。 そして何よりも、自分の記憶情報にアクセスして、必要な情報を意識に置きながら作業を行うという行為の反復が、短期記憶を長期記憶へと変えるのです。 ここにもワーキングメモリが働いています。 直感的に判断を下しているように思える「好きか嫌いか」という感情には、記憶が左右する要素が大きいのです。 ある日、出会った相手に対する好きか嫌いかという判断の源は、五感の刺激。 その人間を見て、また声を聴いて、自分の記憶にある様々な情報が検索され、過去の経験や自分がもつ好き嫌いの基準と照らし合わせて比較し、「この人は好きだな」とか、「この人は苦手なタイプ」などという判断をします。 五感で受けた刺激が脳に伝わると、扁桃体という部位で「快か不快か」「好きか嫌いか」という判断行われ、不快な感情がわいたときに自分を守ろうとする反応がストレス反応。 ここで喜びを感じると、プラスの感情が起こって、その刺激が好きになります。 ですから、扁桃体の働きが、ワーキングメモリの活性化に大きな影響を与えていると考えられています。 新しい環境に適応できない人は、現実を受け入れられてないということです。 現実が受け入れられない人には、完璧主義者やプライドの高い人が多いといわれます。 しかし、もっとも大きな要因となっているのは、ワーキングメモリがコントロール機能を失っていることです。 古い考え方を捨てて、新しい考え方へとシフトできるのはワーキングメモリが働いているから。 これができるおかげで、人間は以前とは違う観点で物事を見たり、感じたりできるようになるのです。 ワーキングメモリは、人間的な内面の成長にも大きくかかわっているということですね。 これは、ストレスの軽減につながる働きです。 ストレスの原因となるマイナスの感情を生み出す刺激は、自分の意思とは関係なく降り注ぐものです。 「辛い」「悲しい」「痛い」「つまらない」といった感情は、意識から消そうとしたり忘れようとしたりすれば、原因になっている刺激を思い出すことになるので逆効果。 マイナスの感情を忘れさせる最善の方法は、プラスの感情がわく刺激を自分に与えること。 簡単にいえば、好きなことや心地よいことをして没頭すればいいのです。 こうしたプラスの刺激を選ぶ判断も、ワーキングメモリの働きが大きくかかわっています。 逆に考えれば、ストレスやプレッシャーは、ワーキングメモリの機能低下を招くということです。 誠実に生きることが喜びとなるのは、この判断があるからです。 この働きは、外に向かっても重要なもので、誰かに対して誠実であるということも同様ですから、ワーキングメモリの機能が低い人は、自分に対してだけでなく対外的にも誠実を貫くことが苦手です。 この働きがもっとも顕著に表れるのは恋愛ですね。 ワーキングメモリは、人間関係にも大きな影響を与えるということです。 スポーツに限らず仕事においてもチームプレーは、選択肢の連続の中で常に自分の態勢のこと、パスを受ける相手のこと、闘っている相手の状態などを考慮して最善の手段を選び続けなければいけません。 このマルチタスクを可能にしているのがワーキングメモリなのです。 ワーキングメモリの鍛え方 かつて、ワーキングメモリは固定的なもので、トレーニングによって鍛えられるようなものではないと考えられていました。 しかし、2000年代に入ってから、ワーキングメモリは鍛えられるもので、努力すれば活性化できることがわかったのです。 脳トレを紹介する本や、ワーキングメモリトレーニングをうたうアプリを活用するのもいいでしょうが、ここでは日常で簡単にできるトレーニング法を3つ紹介します。 3-1. 何にでも優先順位をつける 日頃から、何に対しても意識的に優先順位をつけるようにします。 ワーキングメモリが無意識に行っていることを意識化することで、判断力やマルチタスク能力を高めるのです。 見るもの、聴くもの、味わうもの、触るもの、香るものといった五感で受ける刺激に対して、自分の中でベスト5を決める習慣をつくりましょう。 3-2. 料理を楽しむ 料理は、ワーキングメモリを効果的に使う作業ですから、積極的に料理を楽しむことによってワーキングメモリの機能を高めることができます。 あなたが、あまり料理をしたことがなければ、いい機会だと思って簡単な料理からはじめてみたらいかがですか。 大事なのは、料理を楽しむこと。 美味しい食材を美味しく食べることに、喜びを感じるようになったら、さらなる美味しさの追求がはじまるでしょう。 誰かを喜ばせることが自分の喜びになるのですから、やりがいがあります。 3-3. 意味記憶をエピソード化する 長期記憶には、言葉で表すことができる「陳述記憶」と、体が覚えるような「非陳述記憶」があります。 さらに陳述記憶は、自分が経験したことや情景が浮かぶような「エピソード記憶」と、数字や文字の知識である「意味記憶」に分かれます。 意味記憶はなかなか長期記憶として定着しにくいのですが、エピソード記憶は情景や経験が結びついて記憶として定着しやすいのが特徴。 意味記憶は意識的に体験や情景を結び付けてエピソード記憶化すれば、覚えやすくなります。 「鳴くよ(794)ウグイス 平安京」などは代表的な例。 これは勉強法のコツのひとつでもありますが、情報と情報を「結びつける」作業を行うのがワーキングメモリなのです。 ですから、意識的に意味記憶のエピソード化を行えば、ワーキングメモリを活性化することができます。 まとめ 記憶の基礎知識と、ワーキングメモリの働きは理解できましたか? ワーキングメモリという機能が、日常生活でいかに重要なものかわかっていただけたことと思います。 最後に「IQ(知能指数)」とワーキングメモリの違いを説明しておきましょう。 IQとは、あなたが知っていること、知識の多さを表すもの。 ワーキングメモリは、その知識を利用するシステムです。 知識はもっているだけでは意味がなく、いかに効果的に使うかという検索機能が重要となります。 ですから現代では、学習能力にはIQよりもワーキングメモリの高さが必要だと考えられるようになり、ワーキングメモリのスコア化が研究されています。 【参考資料】 ・『60代から頭がよくなる本』 高島徹治 著 興陽館 2019年 ・『脳のワーキングメモリを鍛える!』 トレーシー・アロウェイ、ロス・アロウェイ 著 栗木さつき 訳 NHK出版 2013年 最近の記事• 2020年6月9日• 2020年6月2日• 2020年5月26日• 2020年5月19日• 2020年5月12日• 2020年5月6日• 2020年4月29日• 2020年4月22日• 2020年4月15日• 2020年4月8日• 2020年4月1日• 2020年3月25日• 2020年3月18日• 2020年3月11日• 2020年3月4日• 2020年2月26日• 2020年2月19日• 2020年2月12日• 2020年2月5日• 2020年1月28日• 2020年1月21日• 2020年1月14日• 2020年1月7日• 2019年12月31日• 2019年12月24日• 2019年12月17日• 2019年12月10日• 2019年12月3日• 2019年11月26日• 2019年11月19日• 2019年11月12日• 2019年11月5日• 2019年10月29日• 2019年10月22日• 2019年10月15日• 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強迫性障害とワーキングメモリ(作業記憶)の関係【重要】

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「学習障害」に関係ある「ワーキングメモリ」とは?またADHDとの関係は?(第2話) ワーキングメモリと学習の関係とは 学習というのは、昔から、読み・書き・そろばん、というように、• 読むこと• 書くこと• 計算すること の3つがもっとも基本となります。 これら3つの すべてにワーキングメモリが関わっています。 「読む」ことと「ワーキングメモリ」の関係 「読む」ということを、細かく分けて考えてみます。 例えば、国語の教科書を読むとすると、 まず、教科書の文に書かれている文字を1文字ずつ見て、 ワーキングメモリの中に記憶します。 例えば、文章が「むかしむかしあるところに・・・」とあれば、 む・か・し・む・・・ の順に1文字ずつワーキングメモリに蓄えていくわけです。 ワーキングメモリに蓄えられた文字は、これまでに学んで知っている文字と比較されます。 これまで知っている記憶というのは、「長期記憶」という言い方をしています。 長期記憶というのは、記憶が安定した状態で、 10年以上忘れない記憶のことです。 ワーキングメモリに入ってきた文字情報は、 長期記憶にある、知っている文字の中に同じ文字がないか照合されます。 同じものが見つかれば、この文字はこれだ!わかった!となります。 すると、「む」という文字の音が長期記憶から引き出されてきて、ワーキングメモリに音の情報として置かれます。 このようにして、「む」という文字が、こういう音で発音する(読む)、ということがわかります。 これで読む準備が整ったことになります。 そしてワーキングメモリにある「む」の音の情報は、 発生するための筋肉を動かす命令によって、音として発声され、外に出されます。 こうして、読みが完成します。 このように、 1文字読むだけでも、 ワーキングメモリが深く関わっていることがわかるかと思います 上の例の「読み」でわかってもらったように、 他の学習である「書く」や「計算する」でも、ワーキングメモリが多いに関わっています。 ワーキングメモリと学習障害 ワーキングメモリは、脳細胞のネットワークとして成り立っています。 脳細胞1つ1つの働きではなくて、 脳細胞同士のつながり具合による、ということなんです。 生徒さん1人1人にはそれぞれの個性がありますよね。 また、クラスで話し合って、多数決を取って決めたことなど、クラスとしての個性もありますよね 脳の仕組みでいうと、生徒さん1人1人は脳細胞1つ1つで、 クラスは、生徒さん同士のネットワークで、 これが脳細胞のネットワークに対応します。 ワーキングメモリは、脳細胞のネットワークと言いました。 つまり上の例でいうと、ワーキングメモリは、クラスでの多数決、つまり、生徒さん同士のネットワークによる仕組み、と理解することができます。 ここで、生徒さん同士の交流が活発だったら、ネットワークもスムーズに作れることがわかります。 しかし、交流があまりないと、ネットワークがうまく働かないことになります。

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