あなたの大きなからだでぎゅっと。 チェック④天然の栄養素を使っているか?

ARUN CONSCIOUS TOUCH JAPAN: Day 21:からだにありがとう 〜生に呼吸し、愛を分かち合う21日間〜

あなたの大きなからだでぎゅっと

---- ムラサキ 「もーいーかい。 」 問い続けるあなた。 「もーいーよ。 」 私はそう言えずに、紫陽花の根元にしゃがみこんでた。 早く見つけて欲しかった。 でも、一言でも発したらここにいる事がばれてしまう。 そう思って、何も言えずにいた。 頭の上にかぶさる紫陽花の大きな花。 見上げると花房には水滴が沢山ついていて、一粒一粒が青く染まってた。 冷たくて甘そう。 つやり、小さく光る無数の水滴に鼻を寄せると鼻頭が濡れた。 「くんっ」て吸ってみる。 鼻を指すのは湿った土の匂い。 葉っぱごしに見上げる。 雨上がりの空、暮れかけの濃い青。 髪の毛も背中も肩も紫陽花の雫で濡れていた。 ブラウスが背中に張り付く。 冷たくて気持ちが悪い。 ほんの少し悲しくなった私は、膝を抱えて出来るだけ小さくなった。 みつからないように、早くみつかるようにと祈りながら。 「さっちゃーん。 まだー?」 泣き出しそうなあなたの声が聞こえた。 「もーいーよ。 」 小さな声で言ってみる。 けれどもずっと向こうの木の下で、木にむかって目隠ししてるあなたには届くわけない。 緑色の半ズボン。 白いトレーナーの背中に向かってもう一度「もういいよ。 」と言ってみる。 不安げな後姿は相変わらずだった。 そんなあなたを見つめていると、何故だか胸がどきどきした。 泣き出す寸前の酸っぱさが咽の奥からこみ上げて来て、からだ中が勝手に、歓声を上げたようにざわめく。 悲しいような気分。 それでいてこの上なく嬉しいような気分。 心も、からだも、自分のものじゃなくなったみたい。 膝をぎゅっと抱えて思う。 ただあなたに、見つけて欲しかった。 「さっちゃーん」 あなたは我慢できなくなって、ついに振り返った。 心が広がった。 さぁ、早く見つけて。 わたしはここにいる。 あなたに見つけられるのを待ってる。 あなたはきょろきょろ辺りを見回して、ゆっくりと歩き出した。 私の名前を呼びながら、ベンチの下、遊具の影を探す。 自然と頬が緩んだ。 「さっちゃーん、いないのー。 」 もう、殆ど泣き声になってる。 あなたの声は広がりもせず消えた。 私はそんなあなたをただ見ていた。 傷ついたあなたの声に答える事も無く。 意地悪く広がっていく喜びに浸りながら。 あなたは肩を落とし歩き出した。 公園の出口に向かって。 やばい。 瞬時に感じて、気づいたら駆け出していた。 ぬかるむ地面を蹴って蹴って、足を取られた。 転ぶ寸前で地面を蹴った。 大きく揺れるあなたの背中が近づく。 ごめんね。 ごめん。 そう思いながら。 右手を思いっきり伸ばした。 華奢な肩を掴んだ。 肩がおおきくびくりと震える。 振り向いた顔は、やっぱり泣いてた。 「ははっ、何泣いてるの?ばかじゃん。 」 出てきたことば。 俊治に顔に張り付いたのはきっと意地の悪い笑みだろう。 あなたの前のいつもの私。 ごめん、ごめん。 そう言おうとした時、振り返ったあなたは思い切り私を突き飛ばした。 「あっ。 」 からだのバランスが大きく崩れる。 大きく傾いだ空はもう、大分オレンジ色に染められている。 倒れるまでの時間はゆったりとしていた。 このまま倒れたら手を擦りむくかもしれない。 でもなんだかどうだってよくて、青と茜が混じる輝く赤、光る空に息を飲んだ。 私は尻から転んだ。 背中と肩をしたたかに打った。 一瞬息が止まって、今何が起きているのかよく分かんなくなった。 視界に入るのは私を見下ろすあなたの泣き顔。 ひどく生々しい。 「あぁ。 この人はここに、こうして、生きてるんだ。 」からだを貫く衝撃と、あなたの泣き顔を見て、わたしは初めてそう感じた。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 あなたはしばらく茫然とあたしを見つめた後、何も言わずに背中を向けた。 そして、大またで歩いてく。 再び、公園の出口に向かって。 あなたは隣のスーパーの影に吸い込まれていった。 しばらく、消えた一点を見つめてから、私は大の字に寝転んだ。 肩、背中、手、腰。 あちこちが痛かった。 髪の毛もブラウスもスカートも泥だらけだ。 お気に入りだったのに。 ふあふあで女の子っぽくて。 あーあ。 お母さんに怒られてしまう。 あたしは目を閉じた。 ふーっ、ふーっ。 ふーっ。 自分の鼻息だけがやけに大きく聞こえる。 ふーっ、ふーっ、ふーっ。 目をあけると息も止まるくらい大きな天井が広がっていた。 もうまぶしくないあおぞら。 ・・・見つけてくれなかったくせに。 私のこと見つけられなかったくせに。 見つけて欲しかったのに・・・。 横を向くと、紫陽花がこっちを見てた。 大きな鞠のような、優しい紫色。 突然ふって湧いたように涙があふれた。 悲しくて悲しくて、声を上げて泣いた。 もっと大きな声で泣けば、あなたが戻ってくるかもしれない。 そう思ってもっと泣いた。 けど、あなたは戻ってこなかった。 オレンジ色の光、影が果てしなく伸びてしまってから、私は立ち上がった。 熱くなった手を見る。 泥だらけの手の平には血が滲んでた。 じんじんする。 痛い手で涙を拭いた。 帰ろう、お家に帰ろう。 そう思うのに、私は初めの一歩を踏み出せずにいた。 同じ痛みをあなたに与えたい。 そればかり考えていた。 この悲しみを、胸の酸っぱさを。 あなたの事ばっかり考えてしまう苦しみを。 あなたにも味あわせたいと。 私はゆっくりと右足を踏み出した。 二歩、三歩。 歩き出した私は、もう一度紫陽花を見た。 紫陽花はさっきと同じようにそこにいた。 どうしてだろう。 悲しくて悔しくて苦しいのに、今はどうしようもなく、ごめんなさいって言いたい。 優しいムラサキは叱りもせず、誉めもせず、半分夜に溶けかけながら微笑んでいた。

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童話 ペンギンのせっけん

あなたの大きなからだでぎゅっと

恋人が優しい。 そして自分のことをとても大切にしてくれている。 とても幸せなことだ。 だけど、そのことに不満を感じることがある。 彼のことを不満に思うとは、なんて勝手なのだろうと、イワンは己の傲慢さにため息を吐く。 あんなに優しくて、格好良くて、少し抜けているけれど非の打ちどころのない恋人だ。 こんな自分を好きになってくれて、それだけで奇跡だというのに物足りないと感じている。 キースに対してそういう感情を抱くなど、奢った態度だと自分自身を叱り飛ばすが、もう少し恋人らしいことがしてみたい。 キースがイワンのことをとても大切にしてくれているのは、イワン自身がよくわかっている。 どんな時でもイワンの言うことに耳を傾けてくれるし、どんなに小さな事でさえ真剣に考えてくれる。 優しい。 本当に優しい。 だけど、半年も清い関係のままだ。 恋人と呼べる関係になってから半年も経つというのにキスひとつすらないのはどういうことなのだろう。 普通いくらなんでも、もう少し進展しているはずだろうと経験の少ない頭で思い悩む。 もっといろんなことをしてもらいたいと考えるのは、イワンがキースの恋人だという事実の上に胡坐をかいて、欲張りになってしまっているだけなのだろうか。 (もう一緒にいたくなくなったのかな。 やっぱり本当は、僕のことが好きだなんて、嘘、だったのかな) 悪い考えがぐるぐると頭をめぐる。 考えれば考えるほど、マイナスのイメージしか浮かんでこない。 自分は変われたんだと思っていたはずなのに、脳内に溢れかえるのは卑屈なことばかりだ。 そこまで考えて、イワンはぶるぶるとかぶりを振った。 キースが嘘なんて吐くはずがない。 騙すようなことなんて絶対にしない。 彼のことをそういうふうに考えてはいけない。 好きでなくなれば、きっとすぐに言うはずだろう。 そういう人だ。 だけど、じゃあどうして、キスのひとつもくれないのだろう。 自分ばかりが欲しがっているようで、口に出す勇気は持てなかった。 信じられなくて、嬉しかった。 憧れだった人からもらった幸せな気持ち。 言葉の通りに大切に愛されている。 それとも、大切にしすぎているから、キスもできないというのか。 それはそれで嬉しい。 だけどやっぱり足りない。 もっと、別の愛の形をもらいたい。 「ダメだ、僕はもう……」 ぎゅっと拳を握る。 キスをして欲しい。 彼とキスがしたい。 そのことしか考えられず、もう、我慢なんてできなかった。 そして気付いた時には、イワンはキースの家の方角へと走り始めていた。 一度だけ訪ねたことのあるキースの家まで、イワンは迷わずにたどり着く。 前回は家に来ないかと誘われ、キースとともにこの家の扉をくぐったのだが今回は違う。 緊張のあまり玄関のチャイムを鳴らす指先が少しだけ震えてしまっていた。 少しの間を置いてゆっくりと扉が開いた。 突然の訪問者に驚いたのか、キースは目を丸くしている。 「キース、さん」 「そんなに慌ててどうしたんだい? イワン君」 驚いたのも一瞬で、ぜぇぜぇと息を吐くイワンに、キースは笑顔を向けた。 彼の言うとおり、イワンの額には汗が滲んでいる。 走り続けてきたせいで、息もまだ上がったままだ。 「あの、えー……っと、僕……」 キスをして欲しい。 それだけのために、衝動的にここまでやってきた。 何も考えず、思い立ったままここにきてしまったのだ。 日も暮れ始めている。 もしかしたら、こんなふうに突然押し掛けることは、迷惑だったのかもしれない。 前もって連絡してこなかったことをイワンは悔いた。 キースを困らせているのかもしれないと考えると、途端に申し訳なくなってくる。 イワンが小さくなっていると、キースはイワンの額に張り付いた前髪をかき分けてくれながら優しく微笑んでくれた。 「……おいで、なかで話そう」 柔らかい声と穏やかな笑顔に、イワンの胸はきゅんと締めつけられる。 それと同時に、いったい自分が何をしに来たのだろうと、恥ずかしい気持ちが一気に押し寄せてきた。 一人で盛り上がって、一人で突っ走って、本当にどうかしている。 (僕は、バカだ……、僕は……) ただ、唇を奪いたい。 触れて、ぬくもりを確かめたい。 それだけだった。 部屋の中に通されると、イワンは以前来た時と同じソファに座るようにとすすめられた。 キッチンへ向かったキースは、少しの時間ののち、アイスティを手に、イワンの隣に腰をおろす。 わずかな時間ではあるが、イワンの頭を冷静にさせるには充分だった。 「何か、あったのかい?」 アイスティをどうぞ、とすすめながら、キースはイワンを覗き込んでくる。 彼の瞳からは心配している、という色がすぐに見て取れた。 心配されるようなことは何もない。 違うのだ。 何かあったわけではなく、ただキスをして欲しい、そんなことのためだけにここへ来たのだ。 「ごめんなさい……」 イワンが小さく呟くと、カラン、と氷が涼しげな音を立てた。 せっかく作ってくれたアイスティに手をつける間もないまま、イワンは立ちあがる。 「帰ります」 「イワン君?」 キースは困惑した表情をしている。 理由を言ってしまえばきっと呆れられてしまうだろう。 すべてが恥ずかしくて、イワンはキースに背を向け進もうとした。 しかし、腕は掴まれ、行く手は阻まれてしまう。 「今の、ごめんなさいって、何に対してなのかい?」 振り返ると、困惑していた瞳が、みるみるうちに悲しげな色に変わっていく。 凛として輝いているキースの表情はそこにはない。 そういう顔をさせるつもりはなかった。 ここにきた理由は本当にどうしようもないものだ。 しかし、イワンの心のうちなど知らないキースには、不安をあおるものでしかない。 「もしかして……、口にしたくもないんだが。 その……、ごめんなさい、と言っているのは、わたしとの付き合いをやめたい、ということ、なのかな?」 「え?」 聞こえてきた言葉が間違えではないかと思うほどのもので、イワンは気の抜けた声を返してしまう。 キースにもいつもの溌剌とした様子は微塵もない。 「ち、違います! そんなこと絶対にありません!」 まさか、なにを言い出すのかとイワンは全力で否定する。 付き合いをやめるだなんて、イワンの口からは一生出るはずのないものだ。 「本当に?」 「本当です」 「そうか……よかった」 腕を掴んでいた力が弱まり、そのまま両手を奪われた。 大きな手のひらがイワンの両手を包む。 「じゃあ、何がごめんなさい、なんだい?」 「それは……」 「それは?」 ゆっくりとした動きで指と指が絡められる。 触れあった指の隙間からぬくもりが全身にあふれてくる。 こんな触り方はできるのに、なぜ、どうしてキスはしてもらえないんだろう。 「僕が……」 「君が?」 言ってしまうのは簡単だ。 言ってしまえば、キースはきっとキスなんて、いくらでもしてくれるだろう。 だけど、こんなこと、言いたくない。 言わなくったってしてもらいたかったのだ。 こんな感情、ただの我儘でしかない。 「イワン君?」 イワンの沈黙に、促す様にしてキースが口を開いた。 イワンはもう白状するしかなく、ここしばらくずっと、もやもやしていた胸のうちを明かす。 いま言わなかったら次に言いだすチャンスはずっと先になってしまうかもしれない。 「あなたに、キス、して欲しいってだけで来てしまったから」 「キス……、えええええっ!」 驚いたのか、キースはパッとイワンから両手を離した。 そのキースの反応に対し、イワンは少しムッとしてしまう。 それに、そんなに大きな声を出さなくったっていいのにと、イワンはますますそっぽを向いた。 「……そんなに驚かなくてもいいじゃないですか」 「い、いや、それは」 キースの目が泳いでいる。 イワンと顔を合わせられない、といった感じだ。 顔を見られないほど困ってしまっているのだろう。 そんなに困らなくてもいいのに、とイワンは悲しくなった。 いや、悲しみを通り越して、卑屈にすらなってしまう。 「やっぱり……」 口ごもるイワンにキースは顔を向けた。 もうどうでもいい、と、自棄になったように、自分自身で認めたくなかった言葉が、唇から流れ出てしまった。 「ずっと、そういうことしなかったのって、僕のこと好きじゃなくなってしまったからですか」 「ええっ? ちょっと待って……」 「いまだって、僕がキスして欲しいって言ったら、驚いたじゃないですか! そんなに困らなくったって……。 もう、もう二度と言いませんから」 つい感情的になってしまい、言い切ってから唇を噛みしめる。 鼻の奥がツンとなった。 これ以上何かを口にしてしまえば、泣きたくなんかないはずなのに、絶対に涙が勝手に溢れてしまう。 「イワン君」 名前を呼ばれて、肩がすくんだ。 からだが震えるように反応する。 ぎゅっと目を閉じた。 (やばい、言いすぎた) 何を言われるのだろうと、考えればただ怖いだけで、胸が軋む。 怯えているイワンの肩にキースの手のひらが、ゆっくりと触れた。 消えてしまいたいくらいに、恥ずかしくて情けないのに、触れたところから、キースの体温が溶け込んでくる。 この人の手のひらは魔法だ。 ただ触れただけなのに凍ってしまったイワンの心は一気に溶けだしてしまった。 「キス、しても、いいのかい?」 抱きしめられて問われた。 嫌だ、なんて言うはずがないのに、どしてそんなことを聞くのだろう。 イワンはただ、頷くだけだった。 「ありがとう……」 ふわりと降りてきた唇に、イワンの唇が塞がれる。 優しく落とされるキスにただ夢中で答えるだけだった。 暖かくて柔らかい。 夢にまで見たキースの唇。 「君に無理をさせていないかと、いつも不安だった」 触れるだけのキスのあとで、キースが言葉を紡いだ。 「私に合わせて付き合ってくれているんじゃないか。 断りきらなかっただけじゃないか……」 「そんなこと、絶対に、ないです!」 「本当に?」 まさか、キースをそういう気持ちにさせているとは思わなかった。 彼がそんな風に考えるなんて思ってもみなかった。 不安なのはイワンだけだと思っていた。 「そう、見えていたんだったら、僕はただ、緊張していただけです。 あなたに愛していると言われた時、空でも飛べそうなくらいに舞い上がっていました」 そんなことはないと、必死になって否定する。 キースが傍にいるだけで、嬉しくてドキドキしていた。 だけどそれと同じくらい、いや、それ以上に緊張していたのは確かだ。 憧れの人と一緒にいる。 それが、とても大好きな人だったら尚更だ。 「僕はあなたのことが凄く、好き、ですから……」 イワンは背中に回した腕の力を強め、自分よりも少し大きなからだをぎゅっと抱きしめた。 「私が、勝手に不安になっていただけなんだよ」 キースが自分なんかのことで不安になることがあるのだと思うと、キースには申し訳ないが、少し嬉しかった。 「僕も、不安でした」 キースを抱きしめたまま、イワンはゆっくりと口にする。 「僕も、僕ばかりキースさんのことを好きになっていってるって思っていたから」 顔を見上げることはできなかった。 顔を見てしまったら、何も言えなくなってしまうような気がしていた。 「キス、しないのも、本当は好きじゃないからだとか、そんなことばっかり考えるようになって……」 「君のことは大好きだ! 本当に、本当に大好きなんだ! だから!」 「僕も、大好きなんです!」 勢いで顔をあげると、キースと目があった。 みるみるうちにからだが熱くなる。 きっと顔は真っ赤になってしまっている。 見上げた先にいるキースも同じように真っ赤だ。 「僕たち、変ですね」 少し照れくさくて、誇らしかった。 キスひとつで大騒ぎしてしまったけれど、二人とも同じ気持ちでいられたことが、とても、嬉しかった。 「イワン君」 離れていたからだがふたたび熱を分かち合う。 キースはイワンを抱き寄せ、その腕の中に包み込む。 「何ですか?」 「私が君にキスをできないでいた理由がもう一つあるんだ」 「理由? 他にまだ何か」 見たことのない顔をして、キースが別の理由を口にする。 「それは、こうして歯止めが利かなくなるって分かっていたからなんだ」 「ふ……っ、ん……」 さっきとは打って変わって、噛みつくように唇をふさがれた。 唇のあわいをキースの舌でなぞられて、背中がぞくぞくする。 濡れた舌が、イワンのなかに入りたがっている。 突然の深いキスに、心が追いついていかないのに、からだはキースを求めていた。 唇を薄く開いて、彼を招くと、口腔をゆるやかに舐めまわされる。 熱い舌にそれが絡めとられて、仄かな官能がイワンに押し寄せてきた。 「だめだ。 君の味を知ってしまったら私はきっと我慢ができなくなる。 君に触れていたくて、我慢できない」 甘美な口づけに酔いしれて、イワンのなかはキースでいっぱいだった。 「すまない、これは私の我儘だ」 「あの……」 もっと、キースが欲しくなる。 「いい、です」 きっと卑しい顔をしてしまっているに違いない。 「キースさんの好きにしてください」 キースがイワンを欲しがるように、イワンもずっと彼が欲しかった。 「イ、イワン君……」 「僕、キースさんになら何をされてもいい」 「では、あちらへ行くかい?」 振り返る先にはベッドルーム。 そこは、これから二人で甘くて長い時間を過ごすための、とっておきの場所。 「連れて行ってください」 キースはイワンを横抱きに抱えると額にキスを落とし、扉の中へ消えていった。

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ムラサキ

あなたの大きなからだでぎゅっと

一人になると彼のことを考えてしまう 少しでもぼぅっとする場面があると、ふと 頭をよぎる人っていませんか? そう、それはまぎれもなく 恋のはじまりです。 恋のはじまりですからね、それは恋なんですよ、恋。 なんとなく思い出してしまう人……、いますか? ぎゅっとしてもらいたい こう思ったならばそれはまちがいない。 恋です。 抱きしめられることを望んでいる女性は少なくないでしょう。 むしろ、「恋人はいらないから、さみしいときにぎゅっと抱きしめてほしい」と言っている女性は多いかと 笑 安心感を求めるときにそう思うのでしょう。 ただ、誰でも良いわけではないはず。 本能で選んでますよね。 そう、 抱きしめてほしい相手はいつだって恋のお相手なわけです。 もっと知りたい、知ってほしいと思う 好きのはじまりは、 相手のことを知りたくなること。 そして、好きの中盤は自分のことを知ってほしいと思うもの。 この段階に到達したのであれば、あなたの中で彼の存在は大きくなっているはず。 あとはその思いに忠実になって行動をするのみ。 おそれずに、知りたと思う気持ちに 素直になって。 携帯画面をみるたびに思い出す 今はなんでもかんでも携帯電話でことが進みますからね。 別れ話も今や 「LINEで」の時代です。 自分と世界をつなぐものは携帯電話だったりしますからね。 携帯電話を眺めたとき彼の顔を思い出すのであれば、それは願望のあらわれなのかも。 ボタンを押すだけなのに、なぜこんなに人は悩み、迷うのでしょう。 恋のはじまりはなかば 勢いまかせのところがあります。 あまり悩まずに、えい!っとダイヤルしてみたら良いかも。

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