ようとん 大花白豚。 第21話 それも復讐と呼ぶのなら

美食の国の上品な豚肉 スペインポーク | ヒトサラ

ようとん 大花白豚

概要 [ ] 当作品は『』に続き、唐沢の作品によく見られる「あるテーマに従った極端なパロディ化」が行われている。 今回のテーマは。 タイトルに「 ぶよ」とあるように、登場人物や、さらには戦艦までもが太く重く、そして暑苦しく描かれている。 ストーリーは『犬ガンダム』同様、原作に沿って進む。 戦死者が出ないのも同じで、死んだはずの人物は敵側の船に救助されては、そこで欲望に任せたままの食生活にふけっている。 ちなみに話数には を使う。 本作におけるテーマへの徹底ぶりは以下の通り。 随所に体型のために、汗をたらしたり「 はあー、はあー」と息苦しそうな描写が散見される。 人物の顔やモビルスーツ全体のカットがアップで描かれている際に「 ぶよぶよ」や「 でぶぶ〜ん」などの擬音がある。 肥満体型ゆえ、個々の行動に手こずる。 食事の描写も妙にこだわっており、もちろん「 むしゃむしゃ」や「 がつがつ」といった擬音がある。 登場人物 [ ] 上述のように全員が2頭身の肥満体で描かれている。 第3話からは「暑くて服など着ていられない」という理由で、大多数の男性は常に1枚で過ごしているほか、一部の女性は水着を着用している。 でぶ連邦軍 [ ] ぶよアムロ 主人公。 食欲が異常に旺盛(寝食いをするほど)。 重度ので、3メートル走っただけで息切れしてしまう。 初登場シーンではぶよフラウの差し入れのほか、様々な食べ物を食べまくっていた。 頭が異様に大きく、頭髪が少なめ。 ぶよガンダムのパイロット。 ぶよフラウ ぶよアムロの友達。 ぶよアムロと比べ頭が一回り小さく、身体も少し細めに描かれている。 ぶよブライト 白豚ベースの艦長。 ぶよアムロがいない隙に、おいしい物を食べる。 船内が暑くなった際(大気圏突入時)には、真っ先に服を脱いでいた。 ぶよミライ 白豚ベース操舵士。 第3話ではぶよフラウ・ぶよセイラらと共に サービスカット(対象)を披露した。 ぶよセイラ 白豚ベース通信士。 リアルタイムで白豚ベース内部の食事模様を通信してくる。 ぶよアムロは迷惑がっていた。 ぶよカイ ぶよガンキャノンのパイロット。 パンの耳が好物。 ぶよハヤト ぶよガンタンクのパイロット。 ぶよマチルダ ぶよミデア輸送機の機長。 補給物資の食糧を1人で全て平らげ、一同を困らせた後も白豚ベースに居座る。 非常に鼻が良く、おいしそうな食べ物を発見するのが得意。 ぶよアムロが初めて知った、自分よりも食欲が旺盛な人。 全登場人物の中で最も太っており、単行本1巻の表紙では他の人物2人分のスペースをとっている。 避難民 白豚ベースで避難生活を余儀なくされている人々。 ぶよマチルダのせいで食糧が回ってこず、空腹に苦しんでいる。 ぶよスレッガー 宇宙名古屋出身の軍人でを好む。 男性の中で唯一派。 でぶジオン [ ] ぶよシャア ぶよアムロのライバルと言えるか疑わしいが、彼以上の肥満体型の通称「 太赤い彗星のぶよシャア」。 常にマスクを着用しているが、顔もたっぷり肉が付いているため、外すとマスクを着けていた痕が残る。 専用カラーのぶよザクを所有。 肉の脂身(例・やの等)やなど、高カロリーでこってりとした物を好む。 食欲も旺盛で、様々な料理を食べては食事に夢中になりすぎて名台詞を 言わない。 ぶよデニム ぶよシャアの部下。 ぶよガンダムのをくらい、撃墜される。 ぶよガデム でぶジオンのピザ出前艦の艦長。 艦を撃墜されぶよガンダムに挑むが、ビームサーベルで斬られ戦死した。 愛機はぶよ旧ザク。 ぶよガルマ でぶジオン大佐。 ぶよシャアとは士官学校時代からの友人。 ぶよガウの艦長で、ぶよドップのパイロット。 本作の登場人物の中では唯一、 自分が太っていることに対してコンプレックスを持っている。 そのことをぶよシャアにネタとして利用されている。 第7話にて撃墜されるが、砲弾として使用されたぶよマチルダ共々死亡せずに生き延びた。 その後はぶよガウで放浪しながら、ひたすらダイエットに励んでいる(ただし全く成功していない)。 ぶよイセリナ ぶよガルマの恋人で、相思相愛の仲。 第8話にて撃墜されるが、ぶよガルマと再会を果たす。 その後は2人でを食べ続けていたが、食欲に勝てずダイエットから脱落。 ぶよランバ・ラル 陽気な酔っぱらい中年男性。 非常にオヤジ臭い。 気前も良く、白豚ベース襲撃時にはおみやげの酒のサカナ持参で乗り込んできた。 ぶよララァ 宇宙インドから来た少女で、カレーライスが大好物。 ぶよアムロに会って同士惹かれあっていく。 ちなみにNEWタイプとは「Nandemo Eat Wao! oishii(何でも 食べるぞ ワオ!美味しい!)」のことで、ぶよシャアによれば「ひたすらおいしい物を食べ肥満していくよう進化していく人類」のことだという。 登場兵器 [ ] は(楕円)型に近く、手足が小さい(特にぶよガンダムは丸くて小さな目やおちょぼ口が付いているほか、大変短い手足やV字形ブレードアンテナが付いた 白いかのような姿をしている)。 でぶ連邦軍(登場兵器) [ ] でぶジオンに対抗するために開発されたモビルスーツ。 武器はガンダムと同じだが、パロディが入っている。 ぶよザクの「5倍のゲイン」ならぬ、「 5倍の」を有しており、(?)のおかげでザクマシンガンが通用しない。 だが、起きあがるのに一苦労し、背中のビームサーベルにも手が届かない(第2話である 工夫をし、取り回しに苦労しなくなった)。 一方で、ぶよシャアに「 でぶ連邦のモビルスーツはなまけ者」の印象を与えてしまうのだった。 技を使える。 でぶジオンでは「 白くて太いモビルスーツ」と呼ばれている。 白豚ベース() でぶ連邦の最新鋭艦。 でぶジオンでの通称は「 (しろぶた)」。 しかし重すぎるためか、地球に降下してからは飛べなくなった。 豚型の蚊取り線香入れのような外見。 白豚ベースに配備されているモビルスーツ。 パイロットはぶよカイ。 白豚ベースに配備されているモビルスーツ。 パイロットはぶよハヤト。 でぶ連邦軍の量産型モビルスーツ。 でぶ連邦軍の輸送機。 でぶジオン(登場兵器) [ ] でぶジオンの主力モビルスーツ。 武器はマシンガンとヒートホーク。 脂肪の固まり故か、燃えやすい。 ぶよシャア専用機 ぶよシャア専用のザク。 機体色は赤。 「 3倍の速さ」に関する描写は一切ない。 暑苦しく陰湿な攻撃を仕掛ける。 ぶよ旧ザク ぶよガデムの機体。 非常に簡素なデザインをしている。 でぶジオンの戦艦。 他の兵器(敵味方問わず)に比べ、比較的丸みを帯びた程度で済まされている。 でぶジオンの空母。 でぶジオンの戦闘機。 パイロットの体重オーバーが原因で燃料切れを起こしやすく、簡単に墜落する。 ぶよランバ・ラルの搭乗機。 酔っぱらいオヤジ同然の登場を果たした。 弁当を紐で結びつけ(元ネタは)、ぶよガンダムに投げつけた。 でぶジオンの水陸両用モビルスーツ。 ぶよドズル・ザビの搭乗機。 ぶよララァの搭乗機。 劇中ではぶよシャアが最後に搭乗した機体。 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]•

次の

花火百景E

ようとん 大花白豚

あたまがいたい。 暗転した意識が心地好い振動によって、柔らかな覚醒を促され、それを受け入れた瞬間に凄まじい痛みが襲ってきた。 ギリギリと頭を締め付ける感覚に、ひゅっと息を吸い込んで目を開ける。 すると、ふわふわした金髪と涙で溶けそうな青い目、褐色の肌。 「にぃに?」 「……レグルスくん?」 にぃにってなんだろう。 ポロポロとお腹の上で涙を溢す美幼児に驚きながら、そっとひよこのような髪を撫で付ける。 ぺふぺふと小さな手が私の胸をあやすように叩く。 心地好いと感じた振動は多分これ。 背中が柔らかくて、頭上は見慣れたシャンデリア。 と言うことは、私は姫君の前で気絶して、自室に運ばれた……のか? 解らん。 ぼんやりしながらひたすらレグルスくんの髪を撫でていると、控えめなノックが聞こえて、私が寝ていると思ってだろうけど、応える前にドアノブが回る音が。 「失礼します……。 レグルス様?レグルス様ー?……どこ行っちゃったのかなぁ……レグルス様ー?」 声で察するに宇都宮さんだ。 もそもそと名前を呼ばれたレグルスくんが、私の上から身体を起こす。 ぴょこんと布団から出たひよこの髪に、宇都宮さんが近付いてくる気配がした。 「あー……ダメじゃないですか、レグルス様。 お兄様はおやすみ中です。 お腹に乗っちゃ、め!ですよ」 「う?……め?」 「め!ですよ」 「めーなの?」 真下にいる私に、そんなの聞かれても。 まあ、ぶっちゃけ軽くはないので、降りて欲しいけど。 「降りてくれると助かる、かな?」 「にぃに、起きる?」 「うん、起きるよ」 頷けば、ひよこちゃんはひょこひょことお腹から降りて、ベッドの端に座る。 私も身体を起こすと、宇都宮さんが走りよってきた。 「若様!?お気がつかれましたか!?」 「はい……。 ちょっと頭が痛いので、声を小さめに」 「あ、あ、すいません!」 ぺこんと最敬礼した宇都宮さんの真似をして、レグルスくんも頭を下げる。 ふわふわの髪に指を差し込むと、きゃっきゃ笑うのが可愛い。 それとは対象的に、宇都宮さんは凄く深刻そうな表情だ。 「若様、あの……お倒れになったの、覚えてらっしゃいますか?」 「ああ、はい。 奥庭で散歩中……でしたかね」 「はい。 ロマノフ先生が若様とレグルス様を連れて帰ってきて下さったんですが……」 「ロマノフ先生が?」 「はい。 何でもレグルス様が泣きながら庭から出てきたのをロマノフ先生が見つけて下さって。 レグルス様は若様が庭でお倒れになったのに吃驚して、誰かに助けを求めに来たんだろう……と」 「そうですか……レグルスくんが……」 何て賢いんだろう。 私、三歳の時そんなこと出来なかった気がするけど。 ありがとうの意味を込めて金髪をくしゃくしゃと混ぜ返せば、レグルスくんは擽ったそうに身を捩りながらはしゃぐ。 可愛い盛りのレグルスくんの仕草に、しかし宇都宮さんはにこりともしない。 それどころか若干泣きそうなのが気になる。 何でか聞いてみようか?と口を開きかけた時、先に宇都宮さんが話し出した。 「あの……若様、お倒れになったのって、レグルス様の絵本を作るのに夜更かしを繰り返してたからって本当ですか?」 「は……?」 「最近夜遅くまで、若様の部屋の灯りが消えない、そしたら翌朝にはレグルス様の絵本が増えてるって……」 「ああ……」 楽しいんだ、お裁縫。 ちくちくしてると、ついつい時間を忘れちゃうんだよねー……。 でも健康に支障が出るほどの夜更かしなんて、五歳児には無理です。 眠くなったら即ばたんきゅう!です。 うるうる潤む大きな眼から、ポロッと一粒。 涙が薔薇色の頬に落ちる。 今思い出したけど、宇都宮さんも充分に美少女で、美少女の涙は大抵凡人には大量破壊兵器もいいとこだ。 「え!?なに!?どうしたの!?私、何かしましたー!?」 「レ゛グル゛ズざま゛の゛だめ゛に゛よ゛ぶがじぃぃぃ!」 「違っ!?してない!してないよぉ!?」 ぎゃあっ!?美少女ギャン泣き、私阿鼻叫喚! レグルスくんがきょとんとして私を見ている。 見ないで、私なんにもしてないから。 ひぐひぐと嗚咽をあげて泣くのを、ベッドサイドから刺繍入りハンカチをレグルスくんに渡す。 そして宇都宮さんの方に背中を押すと、自分の使命が解ったのか、彼女にハンカチを差し出した。 「めーよ!にぃに、こまってる」 「あ゛い゛……ぐすっ、失礼しました……」 「レグルスくん、普通に話せる時とそうじゃない時があるんですね」 「はい、たまに何だか大人みたいな話し方なさるんです……じゃなくて!」 ちっ、折角話が逸らせると思ったのに。 上手くいかないもんだ。 受け取ったハンカチで泪を拭くと、宇都宮さんが戸惑いがちに唇を開く。 「……若様、若様はどうしてレグルス様にそこまでしてくださるんですか?」 「んぁ?布絵本作りは私の趣味の一環ですよ。 別にレグルスくんのためだけって訳じゃ……」 「それだけじゃありません。 こちらのお屋敷でレグルス様がきちんとお勉強出来るようにして下さったり、奥様からあんまり疎まれないようにしてくださったり……」 「兄が弟の面倒を見るって普通じゃないんですか?」 「……ついこの間までレグルス様の存在すら知らなかったのに、ですか?」 うーむ、そうなのかな? 前世は人付き合いをそれなりにしていて、兄と弟の軋轢があるとこもないとこも解ってるけど、現世ではほぼ人付き合いなんかない。 更に言えば両親との触れ合いすらなく、ほぼ他人に等しい状態で「今日から兄弟です」って言われたようなものだから、正直こう言う時はどういう反応をしたら良いのか解らないのだ。 「自分より小さい子をいじめないのは常識かなって。 あと、守ってあげるのも」 「でも……その……レグルス様は若様のお父上様が他所に作ったこどもで……」 「それは父の都合でレグルスくんのせいじゃないですし。 前も話しましたけど、私はそもそも疎まれてる身の上、レグルスくんのせいでこうなってるわけでもないので」 これはアレか。 疎まれる、虐められると構えていた緊張の糸が張り詰めて、ストレスが限界を超えたのか。 そりゃ、虐められるだろうと思ってた相手からなにもされない、かといって真意が読めないとか、凄く疲れるだろう。 もっと早くに宇都宮さんとはじっくり話すべきだった。 失敗したなと思いつつ、宇都宮さんにベッドの端で申し訳ないけど座るように促す。 最初は渋っていた宇都宮さんも、話をしましょうと言えば、戸惑いながら座ってくれた。 レグルスくんは何故か私の膝の上だけど。 「宇都宮さん、私は事実は多面体だと思うのです。 見るひとと角度が変われば違う面が出てくる。 確かにレグルスくんは菊乃井からすれば父の裏切りの証ですが、レグルスくんのお母様のご実家では私こそが菊乃井の非道の証でしょう。 だからレグルスくんは、彼方ではこちらにくれば虐められると思われていた」 「それは……」 こくりと宇都宮さんが頷く。 まあ、そうだよな。 母親を裏切って他所の女に産ませたこどもなんて!って受け入れないって予想されてるのは、解る。 これは前世の経験則。 あっちの母は昼メロが大好きだったからな。 しかし、だ。 それは母親に可愛がられてる子供が、母親が憎む相手を同じように憎んで愛と共感を得るミラーリングって奴で、私にそんなものがある筈もない。 それに。 宇都宮さんはレグルスくんの守役、少しだけ伝えて置いた方が良いかもしれない。 「宇都宮さん、私ね、ここだけの話ですが、あんまり長生きしない気がするんですよね」 階段落ちで見た映像のレグルスくんは、青年とは言えまだあどけなさを残していた。 私とレグルスくんは二つ違い。 レグルスくんが若いってことは、私も若いことで。 告げれば、宇都宮さんが蒼白になった。 「な、な、なに、何を仰ってるんですか!?」 「何って……レグルスくんを迎え入れる時も言ったでしょ?人間何が起こるか解らない、代わりは必要だって」 えらい挙動不審になった宇都宮さんに、ちょっと首を捻る。 オーバーリアクション過ぎじゃない? 「……私、つい半年前に流行り病で死にかけたんですよね。 それで何となく、私は長生きしないんじゃないかと思うようになりまして。 それでね、私が死んでも大丈夫なようにレグルスくんになっておいて貰おうかと思って」 これは嘘だ。 だって私はレグルスくんに殺されるのを、もう知ってるんだもの。 だから、そこに至るまでにレグルスくんに立派な伯爵家当主になれるよう成長して貰いたいだけだ。 「私が死んでも、両親は何の感慨も抱かないでしょう。 何せ、生きてることも期待されてない」 「そんな!?そんなこと……!」 「あるんですよ。 だって半年前に私が医者に匙を投げられる寸前に、枕元に居てくれたのはロッテンマイヤーさんやら屋敷にお勤めのひとだけです」 「…………っ」 「でも、レグルスくんは違う。 お母様を亡くされたけれど、父はレグルス君に最高の教師を得るために、わざわざ来たくもない場所に乗り込んできたし、今だってレグルスくんを害されないために母に頭を下げて莫大なお金を稼ごうと仕事に精を出している。 生きてることも期待されてない私より、きっとレグルスくんが菊乃井の当主になった時に、喜ぶひとが多いと思います。 最大多数の最大幸福。 政の理念ですね。 どうせ長くは生きないなら、弟を最高の領主にするくらいは……ねぇ」 「な、長生きなさるかも知れないじゃないですか!?その時は……!?」 「その時はレグルスくんに家督を譲って、私は……歌やら手芸やらして生きていければ良いですよ」 そんな未来はきっと来ない。 頭の隅で、剣を振り下ろすレグルスくんが、そう叫んでいる。 いつか来るその日のために、私にはしなければいけないことが沢山あるのだ。 喋り過ぎて少し疲れて、そっとため息を吐く。 「宇都宮さんにもね、やって欲しい事があるんです。 菊乃井邸 ( ここ )はレグルスくんにとって敵地ではなくなったにせよ、まだ完全に味方ばかりという訳でもありません。 だからね、小さいレグルスくんに代わって、貴方がレグルス君の味方を増やしてください。 レグルスくんがどんなに賢くて良い子なのか、アピール出来るのは現状貴女しかいない。 屋敷のひと達を、レグルスくんの味方にするんです。 私が死んでも、誰もその死にレグルスくんが関係してると疑わない程に」 「若様!?何を仰ってるんですか!?」 「レグルスくんが私を殺したなんて疑われたら、母やセバスチャンの思うツボです!父にも母にも私は味方しないし敵対もしない。 でも幼児を階段から落とすようなヤツを利するのは嫌だ!それを母が命じたなら、同じ人種と思われるのはもっと嫌なんです!」 ぜいぜいと肩で息をする私に、宇都宮さんがそっと触れる。 その手を握ると、宇都宮さんは真剣な眼で、私の手を握り返した。 「セバスチャンは私にレグルスくんを追い出す手伝いをさせようとした。 あの野郎は、そうすれば母が眼をかけるかもと、ちらつかせて!自分より弱い者を虐めなければ、私は愛される価値もないと!?……侮るなよ、私にだって意地くらいはあるんだ!」 そう、突き詰めれば私にも怒りがあった。 セバスチャンにも父にも母にも、言ったところでどうにもならない怒りが。 私はレグルスくんを立派な大人にすることで、両親に復讐したいのかもしれない。 声を荒らげた私を、驚いたのか、レグルスくんが見上げる。 私の弟。 可愛いか可愛くないかで言えば、きっと可愛い。 じゃなかったら階段から一緒に落ちたりするもんか。 複雑なのは私がやっぱり五歳児で、色々と整合性の取れない存在だからだろう。 喋りすぎた。 見上げるレグルスくんの髪を梳いていると、すっくと宇都宮さんが立ち上がって、そのメイド用のスカートの裾を両手でつまみ上げる。 カーテシーという様式の礼を取って、宇都宮さんは胸に手を当てた。 「……解りました。 不肖、宇都宮アリス。 これより若様とレグルス様をお守りすべく、全力で尽くさせて頂きます!」 「え?や?宇都宮さんはレグルスくんのために働いてくれたら良いんですよ」 「いいえ、若様のお望みを叶えることはレグルス様のお為でもあります。 若様の手足として、宇都宮、がんばります!」 よく解らないけど、宇都宮さんはやる気になったようだ。 つか、宇都宮さん、下の名前『アリス』って言うのね。 初耳だ。 宇都宮さんの気合いに気圧されて頷けば、彼女の顔がふっと真顔に変わる。 「若様、どうかレグルス様と仲良くなさって下さいね。 レグルス様と若様が仲良くしてくだされば、宇都宮、必ず若様とレグルス様を守って見せますから!」 「えー……何か気合い入りすぎじゃないです?」 「え!?そ、そんなことありませんよぉ!って言うか、若様も意外に激しいんですね!『あの野郎』だなんて!」 キャハッと明るく笑うと、宇都宮さんは素早く「若様がお気がつかれたことお知らせしてきますー!」と、歌うように扉から廊下に消えていった。 なーんか、怪しいなぁ。

次の

機動戦士ぶよガンダム

ようとん 大花白豚

輸入量が急増するスペイン産豚肉 まず、日本の豚肉の輸入とスペイン産豚肉の関係についてみてみましょう。 のデータより筆者作成、以下同 歴史的に見ると、日本にとって一番の豚肉の輸入元はアメリカです。 畜産産業振興機構の公開しているデータを見ると、日本が輸入している豚肉の大半がアメリカ産であることや、2013年以降にスペインとカナダから豚肉の輸入が増加していることに気が付きます。 スペイン産豚肉の輸入量を変化を見ると、数年間で日本のスペイン産豚肉の輸入量が急増しているのがわかります。 例えば、2017年の輸入量は2012年の約3倍です。 日本の市場へ本格的に進出したのは本当に最近で、この5年くらいの話なのです。 そして2019年になり、日本のスペイン産豚肉の輸入の動きは加速します。 2018年後半に一旦減少したスペイン産の豚肉の輸入が、2019年に再度増加に転じていることがわかります。 このスペイン産豚肉の日本進出の動きを決定的なものにしたのが、2019年から発行された日本EU経済連携協定(EPA)です。 この協定の発効により、豚肉の関税が3%から2. 2%に減少しました。 この協定は、もちろんEUで生産された豚肉すべてに適用されます。 しかし、スペインは、他のヨーロッパ諸国より人件費等が安価であるため、関税前の豚肉の価格自体が他のヨーロッパ諸国の商品と比較しても非常に安いのです。 そのため、この関税削減の影響は、スペイン産豚肉の一層の価格低下という形で明確に現れました。 こうして価格が低下し、日本のスーパーマーケットなどで手に入りやすくなったスペイン産の豚肉ですが、そのほとんどは「イベリコ豚」と記載されていることに気が付きます。 そう、放牧されてドングリで育つといわれるあの黒い豚です。 そんな貴重な豚が、大量に日本に豚肉として入ってきているのでしょうか? 実はここに、スペイン産豚肉=イベリコ豚とは必ずしも言えない、理由が隠されているのです。 「イベリコ豚」って何? DNA鑑定によると、イベリコ豚の起源はヨーロッパ系と地中海系、そしてアジア系の3つが掛け合わされたイノシシであることがわかっています。 そして、この豚の肌の色は黒。 正真正銘のイベリコ豚は、スペインイベリコ養豚協会という公的機関に登録され、その飼育や繁殖方法まで厳密に管理されています。 そのため、基本的にはこの養豚協会が認めた豚だけが、正式な「イベリコ豚」ということになります。 イベリコ豚は、生まれた直後から体重が23kgくらいに成長するまで、母親のお乳を飲んで成長します。 しかし、もともとは同じイベリコ豚でも、その後の成長過程の飼育方法により、次の3種類のランクに分類されます。 1.ベジョータ 基本的にドングリの実と自然のなかでの動植物を食べることで、その体重を46kg以上増加させた黒豚。 成長が遅いため、生後14ヵ月から出荷可能。 しかし、一般的に豚は体重が200kg近くになるまで製品に加工されず、ベジョータの場合この体重に達するまでに生後22~28ヵ月かかる。 広い場所で放牧されて育つ。 2.セボ・デ・カンポ 放牧され、自然の穀物やハーブなどを餌として与えられていたイベリコ黒豚。 ベジョータと比べると成長が速いため、生後12ヵ月以上から出荷可能。 放牧に近い状態で飼育されていることが多い。 3.セボ 放牧されずに、人工飼料を食べて育ったイベリコ黒豚。 3種類の中で最も成長が速いため、生後10ヵ月から出荷が可能。 ベジョータ、セボ・デ・カンポ、セボの3種類はイベリコハムの分類方法として、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 前述のように「ベジョータ」は育てるためのコストが高いため、その商品価格も高い傾向があります。 そして、イベリコ豚を生産している主な地域は、スペインの中でも比較的夏の気温が高いところに集中しています。 例えば、スペインの4大イベリコハム生産地として良く知られる次の地域は、すべてスペイン中部から南部に位置し、夏は気温が40度を超えることも珍しくありません。 ・サラマンカ県のギフエロ ・ウエルバ県のハブーゴ ・コルドバ県のペドロチェス ・エストラマドゥーラ地方 このようにイベリコ豚は日本でも有名です。 しかし、スペインから輸出されているスペインの豚肉は、イベリコ豚だけではありません。

次の